お花まつり

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四月八日はお釈迦様の誕生日、お花まつり。
たくさんの花で満たされた花御堂の誕生仏に柄杓で甘茶を注いでお参りする日である。
お釈迦様がお生まれになったとき、甘露の雨が降ったという言い伝えから甘茶をかけるようになったようだ。
甘茶はガクアジサイの仲間で葉を乾燥させて煮出したものである。
写真は私が趣味で育てている甘茶の花。FxCam_1402021517412

日本でのお花まつりの歴史は古い。
仮名書道のなかでもファンが多い華やかな源氏物語。
平安時代中期(寛弘年間1004-1011)には物語の大部分が出来上がっていたと考えられている。
このなかでもすでにお花まつりが催されていた。
お花まつりは灌仏会(かんぶつえ)ともよばれる。

*原文*
灌仏率てたてまつりて、御導師遅く参りければ、日暮れて、御方々より童女出だし、布施など、公ざまに変はらず、心々にしたまへり。御前の作法を移して、君達なども参り集ひて、なかなか、うるはしき御前よりも、あやしう心づかひせられて臆しがちなり。

*口語訳*
今日は御所からもたらされて灌仏が六条院でもあることになっていたが、導師の来るのが遅くなって、日が暮れてから各夫人付きの童女たちが見物のために南の町へ送られてきて、それぞれ変わった布施が夫人たちから出されたりした。御所の灌仏の作法と同じようにすべてのことが行なわれた。殿上役人である公達もおおぜい参会していたが、そうした人たちもかえって六条院でする作法のほうを晴れがましく考えられて、気おくれが出るふうであった。(青空文庫)より

物語の中ではお寺からお釈迦様を借りて盛大なお花まつりが行われたようだ。
少々遅刻したようだが、、、
ほかにも源氏物語には仏教行事が多い。それは料紙と絡めて追々書くとしよう。
残念ながら源氏物語絵巻のほうには同じ場面は存在していないため、絵を見ることはできないが、
もしあればじつに華やかな場面になっただろう。
存在しない絵巻の絵の部分を想像するのもニヤニヤと楽しい。

小さいころお寺の保育園に通っていたためこの「お花まつり」にはとても思い入れがあるのだ。
お釈迦様に甘茶をかけて、手を合わせてお祈りしてからみんなで甘茶を飲んだ。
お化粧をして冠かぶって御稚児さんもやった。
そして眉毛が麻呂になった思い出。

書の道の方ならご存知かもしないが、甘茶で墨を磨り書を書けば上達するともいわれている。
書家ではないけれど、たまには技芸上達のお祈りをするのも良いかもしれない。DSC_0631~2

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