骨董市の歩きかた

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夜型から朝型へ、生活をがらりと変えたのは骨董市のおかげです。
10年ほど前、アンティーク着物がきっかけで、骨董市巡りが趣味のひとつに加わりました。

骨董市を楽しむこつのひとつは、とにかく朝早くに訪れること。
時間が遅くなるほど、業者や目利きのお客に目玉商品はさらっていかれてしまうからです。
週末は始発電車に乗って骨董市へ……が習慣となり、夜明けと同時に一日を始めるすがすがしさを知るにつれ、いつしか日々の生活もごく自然に朝型へとシフトしていきました。

骨董市に行くとき、心がけていることをいくつか。

・早朝を狙う
・場内を何周もする、何周でもする
・夏は水分補給、冬は防寒対策を十分に
・欲しいものを決めて行かない
・小銭をたっぷり
・お喋りを楽しむ

掘り出し物を狙うなら早朝に、というのは先に書いた通りですが、実際、人出の少ない朝のほうが一軒一軒をゆっくり見てまわることができます。
空の明るむにつれ、そこかしこで荷ほどきが始まり、品物が並べられていくのをわくわくしながら見守るのが楽しい。
何周もぐるぐると歩きつづけるうちに、たとえば同じそば猪口でもあの店は気取らないふだん使いのものが多いけど、こちらは古美術品といっていいような品ばかりだな、とか、あのお店はお茶道具が多い、あのお店はガラスが得意らしいとか傾向がわかってきて目も肥えてくるもの。
時間と体力の許す限り、何周でも見てまわります。
だから骨董市へ行くときはできればひとりで、同行者のいるときは待ち合わせの場所と時間だけ決めておいて「じゃあまた後で」と。

とはいえ早朝の冬の寒さは相当なもの、手袋やカイロでしっかり防寒。また、骨董市は多く屋外で開かれます。夏の陽射しと熱射病対策はくれぐれも。

骨董市に通い始めたころは自分で着るための銘仙や紬の着物、帯が目当て、最近は日用使いの漆器や器、ガラスに目がいくことが多いですが、古いものは一期一会、思い描いていた通りのものにかならず出会えるとは限りません。むしろ思いもかけなかった出会いに胸は高鳴り財布を握りしめる手は震え、というのが醍醐味かも。
だいたいの予算だけ決めて、あらかじめ大きいお金は両替して、小銭もたっぷり用意して出かけることにしています。

気になる品があったら手にとる前に「見せて下さい」とひとこと、素性でも値段でもわからないことがあれば率直に尋ねる、買い物のときもひとこと添えると、思わぬやり取りに発展して勉強にも思い出にもなるもの。

先だって町田天満宮がらくた骨董市で見つけた写真のかごは、大きさわずか数センチ、いったい誰が何のために作ったのか、店の方とふたり首をひねり、けれどどうしても素通りできずに連れ帰ってきました。
友人の竹工家に見せようと思って、と言うと、同じように竹を編んだボタンがどこかにあったはずだから、今度来るとき持ってきてあげる、とのこと。
こうしたやりとりを経て持ち帰ったものは、どこでどんな風に選んだか何年経っても忘れることがありません。

 

muta20150803

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