パール染めに墨流し2

墨流しの妙

濃紫色の不如帰や鉄線 濃緑からすっと立ち上がる鮮やかな石蕗 桜餅の香り漂う淡紫色の藤袴 秋の花もそろそろ終わりを迎え 鍋の膠も朝夕の冷たさにすっかり凍えている 「墨流し(すみながし)」という装飾技法をご存じだろうか 墨流しはその名のとおり水面に墨を浮かべて和紙に写し取る技法で…

蜻蛉

秋の読書

郵便局へ向かう道すがら大きな樹の下を通り 地面に落ちた櫟や椎のどんぐり そのどれもが深々とした青色に染まっていた また辺りにはどこからともなく梅の実のような甘い香りが漂い しばし考えた上にこれが金木犀の咲き始めの芳香であることに気付いた よくよく思い返してみれば たくさんの秋の虫が家の周…

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「つくる人」になれる場所

自宅で校正の仕事をしながら、 夕飯のおかずにさつまいもを煮る。 風の通る廊下に置いてある野菜かごの中から、 この時季常備してあるさつまいもを選ぶ。 毛がしっかりと固い根菜用のブラシで洗う。 真っ白なふきんでくるむようにして水気をとる。 傷んだ箇所や芽をとり除く。 皮はむかず、大きす…

『純喫茶へ、1000軒』とマッチ。そして『純喫茶コレクション』

珈琲と一冊に集う『純喫茶へ、1000軒』

純喫茶についての新しい本が8月7日に、アスペクトから刊行されました。 その名も『純喫茶へ、1000軒』 著者はブログ「純喫茶コレクション」を運営し、同名の書籍をPARCO出版から2012年に世に出されている難波里奈さん。昼間は会社員として働きながら、平日の夜と休日とで純喫茶活動に勤しまれ、こ…

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骨董市の歩きかた

夜型から朝型へ、生活をがらりと変えたのは骨董市のおかげです。 10年ほど前、アンティーク着物がきっかけで、骨董市巡りが趣味のひとつに加わりました。 骨董市を楽しむこつのひとつは、とにかく朝早くに訪れること。 時間が遅くなるほど、業者や目利きのお客に目玉商品はさらっていかれてしまうからです。…

六つ目の籠に風船葛

籠目で暑気をはらう

竹籠の編み方として、もっとも有名なものの一つが六つ目編み。 六本の竹ヒゴでできる編み目のことは、籠目とも呼びます。 隙間の大きな編み方ながら、六角形の目の周りに三角形ができるため、隙間の大きさに比べてずっと堅牢で、屋外で落葉を集めたり農作業に用いられたりと実用的な編み方。そのかたちを引用した…

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「校正者のカバン」が欲しい

オットをみていると、つくづく自分とは正反対の人だと思います。 唯一の共通点は食べものの好き嫌いがないことと、校正を生業にしていること。 正反対のわかりやすい例を挙げれば、荷物。 オットはとにかく荷物が少ない。 会社へ行くときはいちおうPORTERの斜めがけカバンを持っ…

ヒマワリを日傘にする狩人。

おとこも日傘をさしてみようよ

「モノクルをはめてみようよ」という唐突な手招きに遭遇したのは、高校生の頃。植草甚一氏のエッセイを再録した『古本とジャズ』(ランティエ叢書)においてでした。 モノクルとは片眼鏡のこと。怪盗紳士ルパンだとか、昔の欧州の政治家や軍人が眼窩に装着していそうな、怪しい光を帯びたアレです。「はめてみようよ…

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私の道具

「 筆 (ふで・ひつ) 」 偉大な道具である。 柄の部分と毛の部分からなり、毛の部分に墨や顔料をつけ、字や絵をかくことことができる。 私の場合、筆は絵を描く道具に使うことが多く、 文字を書くのに最近はもっぱらパソコンを使ってしまっている。 そして絵が描かれるとき、筆は単に顔料を紙に…

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鳥肌の立つとき

先日、ミュージシャンである友人のライブを観に行った。 シンフォニーホールでの高音質レコーディングを兼ねたジャズライブであったのだが、 久しぶりに鳥肌が立った。 彼とは、高校時代の同級生で、いまでも仲良くしていて今回のライブに招待してくれたのだ。 圧倒的な演奏は言わずもがな、み…

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